『SNSで売る!「いいね」を「買います」に変えるテクニック』 鈴木宏佳 合同フォレスト
こんな人に読んでほしい
SNS運用を始めようとしている人、企業
SNSについて知りたいなと思っている人
「いいね」が欲しい人
SNSを始めたけれどなかなか効果が出ないなと悩んでいる人に読んで欲しいです。
SNSとは
Social Networking Service (ソーシャルネットワーキングサービス)の頭文字をとった略称
インターネットを通して関係構築ができるWebサービスの総称
Twitter Instagram Twitter LINE など…
ソーシャルメディアマーケティングとは
SNSやブログ、動画配信サイト、ショッピングサイトのコメント欄などを含むソーシャルメディアを使ったマーケティングのこと。
ソーシャルメディアとは、情報の発信者と受信者のつながりによってコンテンツを作り出す要素を含んだWebサイトやネットサービスのことです。
SNSが流行る前のマーケティングは、ダイレクトレスポンスマーケティングが主流でした。
ダイレクトレスポンスマーケティング:広告やWebサイトで発信した情報に反応する形でニーズが顕在化したユーザーにアプローチし、直接商品やサービスを販売するマーケティングのこと。
(DMやチラシ配布など)
マーケティングで大事なこと
集客の源はリピートしてくれるファンの存在です。
一時的な広告や、値引き販売による一時的な集客では、新規のお客様が通り過ぎていくだけで、継続的なビジネスの基盤にはなりません。
マーケティングで大事なのは、理念や概念だけでなく具体的な運用スキルをしっかり把握することです。そしてトライ&エラーを重ねて結果に結びつけます。知識と実践の両輪で動かさなければ成功の道を進むことはできません。
ソーシャルメディアの可能性
購買行動はAIDMAからAISCEASへ
かつての購買行動はAIDMAモデル(Attention:注意 Interest:興味 Desire:欲求 Memory:記憶 Action:行動)と言われていましたが、現在ではネット特有の行動でもある Search:検索 、Comparison:比較 Examination:検討、 Share:共有が加わり、AISCEASモデルに変化しています。
SNSの発信で顧客とのコミュニケーションを取ることができます。共有されて拡散されていく仕組みも宣伝効果が高くなります。
情報が溢れかえった現代だからこそ、消費者はいとも簡単に嘘を見抜き、ありふれた情報には目もくれません。ビジネスにかける思いや商品・サービスへのこだわり、そして届けたい価値を伝え続ければあなたの商品・サービスを心から買いたいという人が集まります。
Facebookは世界でもユーザーが多く実名制です。
実名で発信する情報は信憑性が高くなります。
Facebookの投稿やページへのいいね獲得は、見込み客の名簿づくりになります。1いいね=見込み客1人 になるとすると、チラシの100分の1の予算で獲得できます。
Facebook 運用
1.社員・取引先・顧客とつながる
Facebook運用を軌道に載せるまでにまずやることはすでに自社を理解している人を巻き込んで運用することです。
社員とつながることで、社員にFacebook運用の主体者として意識してもらい、情報発信にあたって自社に対する理解や、商品に対する知識を深める社員教育にもなります。
取引先とつながることで、自社への理解がより深まったり、双方の利益向上ににつながったりします。
顧客とつながることは、ビジネスの発展に欠かせない重要な取り組みです。購入した人のいいねやシェアで情報が広がれば自社発信よりリアルな分、信憑性が高く、見込み客を開拓できます。
2.新規客へのアプローチ
Facebook広告では、年齢、性別、居住地、趣味などから選別し、発信することができます。
また対面で会う新規客に対してもFacebookアカウントをフォローしてもらうように努めます。
3.日記とコンテンツとの違い
「日記」は担当者が食べたものや、旅行の風景写真などですが、これはただの雑談に過ぎず、日記ではお客様の購買意欲は上がりません。
「コンテンツ」は発信者による一方的な情報ではなく、読者が知りたいという情報を提供する読み手主体の内容のことです。お客様が知りたい情報で有用性があり、オリジナリティのある内容です。
コンテンツの定期的な投稿で、一定期間を経た顧客に再認識を促すことができます。
4.インターネットにない情報ほど価値がある
SNSは隙間時間で見られることがほとんどなので、目を引く内容でないと見てもらえません。インターネットで調べれば出てくるようなありきたりの内容ではなく、独自性のある内容である必要があります。
読者の中には知識ゼロで読む人もいるので、専門的すぎても離れていってしまう可能性もあります。読者はその商品がいかに「私の生活」を豊かにしてくれるかということに興味があります。
Facebook運用は会社員が行う営業活動そのものです。
Instagramは写真や動画などビジュアル重視のSNSです。Instagramのいいところは写真や動画でのコミュニケーションなので、発信者と閲覧者の双方にとって、手軽で使いやすいという点です。
ストーリーズは24時間経過すると投稿が消える機能です。通常投稿よりも見やすいトップ画面に配置されるので、反響が取りやすいのが特徴です。ハイライトとして、プロフィールの下にも残すことができます。ハイライトを含めたプロフィールの作り込みで、フォロワーを増やすことができます。
Instagramではハッシュタグで検索をします。気にいる投稿があればいいね、フォローします。
InstagramもFacebookと同様に年齢、性別、居住地などで広告を発信することができます。
Instagram 運用
1.ハッシュタグ
場所や地名、自社と関連のあるハッシュタグをつけているユーザーにいいねを押して、自社の存在を認知してもらいます。特にローカルビジネスであれば、地域のユーザーとのコミュニケーションはとても大切です。
投稿を人気投稿にラウンクインさせるためには、ビッグワード(10万以上) ミドルワード(10万〜1万) スモールワード(1万〜1千)のキーワードを満遍なく加えて投稿するのがいいでしょう。一つの投稿につけられるハッシュタグは最大30個までです。
オリジナルのハッシュタグを作り、プロフィールに書いておくと、自社と関連を持った投稿をしてくれる人がそのハッシュタグを使ってくれるかもしれません。そうして投稿が増えていけば、自社も拡散されていきます。もちろん自分も投稿するときはマストでつけます。
2.人気投稿
特定のキーワードで検索すると人気の高い順番に表示されます。
上位表示のコツはコミュニケーション頻度です。
・いいね数やコメント
・フォロワーとの関係性(コミュニケーション頻度が高いか)
・新しい情報であるか
Instagram はハッシュタグを積極活用して人気投稿の枠を確保できれば、リーチを大きく伸ばせる可能性が高いメディアです。
Twitterはリアルタイムの情報発信に向いています。
140字という限られた文字数で投稿します。これをツイートといい、フォローしている人や自分のツイートが時系列で表示されるところはタイムラインです。
リツイートや引用リツイートによって、拡散性が高いのも特徴です。
Twitter 運用
1.1日に1回は投稿をする
2.トレンド入りしているキーワードのハッシュタグを利用する
3.一貫して専門性の高い情報を発信し続ける
一度フォローしてくれても、すぐに離れていってしまうことも多々あります。一貫した情報を提供することでそのことに興味のある人はフォローし続けてくれるようになるでしょう。
Twitter広告もジャンルを選定して広告を打つことができます。
Twitterではフランクな文章が好まれる傾向にあるので、親しみやすいコンテンツに仕上げていきましょう。
LINE
LINEは基本的に友達登録をしあった相手と情報受発信を行うクローズドコミュニケーションのツールです。
LINEの公式アカウントを使い、友達になれば、個人のタイムラインにダイレクトにメッセージを送ることができます。拡散力はありませんが、メッセージの開封率は高いです。
ですが、メッセージの売り込みが強かったり、頻度が多いと鬱陶しく思われてしまうので注意が必要です。
LINE広告は各種サービス面の最上部に表示されるため、圧倒的なリーチ力を持ち高い広告効果が見込めます。
トリプルメディアマーケティングとは
トリプルメディアとは
- ホームページ (自社管理媒体)
- SNSやブログ (評価を受ける媒体)
- インターネット広告 (有料の広告を出す媒体)
トリプルメディアマーケティングとは、SNSで有用性の高いコンテンツを掲載しながら、広告と合わせて顧客接点を増やし、ホームページで正確な情報を提供して来店・購入へとつなげていくことです。
ホームページ
ホームページは消費者が必ず閲覧するメディアなので、情報不足があってはいけません。重要なのはSEO対策で、検索で上位表示されるためのサイト設計やコンテンツ制作を行う必要があります。
ブログ・SNS
Webでのマーケティングは見込み客の発掘から問い合わせを経て成約に至るまでに、思っている以上に多くの情報を提供しなくてはいけません。ブログを自社のホームページと連携し、検索エンジンで上位表示を目指して、サイト全体の認知を上げることがSEO対策の面でも有効です。
ブログの記事は回を重ねるとホームページ上の資産となります。サイト全体のアクセスボリュームアップにもつながります。結果が出るまでに多少時間がかかりますが地道に続けていきましょう。
明確化したターゲットに対して情報への欲求を十分に満たし、問い合わせに至るまで価値のある情報を提供し続けることで、ブログは成長していきます。
ブログ運用
・キーワード選定
どのようなキーワードが検索されるかを先読みして、そのキーワードを盛り込んだ記事を作成します。
ローカルビジネスであれば、地域名+業態の上位表示は確実に抑えるべきキーワードです。
○サーチコンソール・キーワードプランナー
サーチコンソールでどんなキーワードで検索されているのかを分析します。そしてキーワードプランナーで指定したキーワードの検索ボリュームを調べることができます。
・ブログの成果を見分ける
○アクセス数と問い合わせ数
10件の問い合わせを受けるにはどれくらいのアクセス数が必要かを逆算し、そのためにはどうすればいいかを考え、コンテンツの価値を高めていきます。
○Googleアナリティクス
セッション数、滞在時間、直帰率を確認します。
滞在時間が長く、直帰率が少なければ質の高いコンテンツだと評価できます。
SNS運用
SNS運用は上記に示したようにサービスによって運用の仕方が異なります。
接触回数を重ねるたびに好感度は上がるので、SNSでも積極的な投稿とコミュニケーションによって、顧客との接触回数を増やしましょう。
SNSでは情報共有と情報収集、拡散性を狙いましょう。
インターネット広告
対象を選定して、狙ったターゲットに広告を出せますが、その方法も様々です。
テストを繰り返して広告の運用を最適化することで、広告効果を最大化しましょう。
ソーシャルメディアマーケティングの考え方
運用目的を明確に
企業の価値を社会に伝えるための手段が、SNSやブログです。理念やビジョンを伝えていくこと、熱意が伝わることが運用することの意味です。
認知拡大、売り上げアップ、採用強化という成果はもちろんのこと、運用目的を明確化しておく必要があります。明確な目的がないアカウントには良好なつながりは生まれません
「社会にどんな影響を与えたいのか」社会的な価値を運用目的にしましょう。
集客
まず初めにソーシャルメディアを使ってリアルな人脈(家族・社員・取引先)を強化しましょう。SNSを始めたからといってすぐにお客様が集まるわけではありません。
次につながるのは実際に来店してくれた方々です。『新規客のフォロワーが1人増える=営業先が1つ増える』ということです。
SNSでの表示回数を増やしたり、上位表示されたりするために、仕組みを理解しましょう。投稿頻度、フォロワーとのコミュニケーションや、いいねの数でも変わってきます。多くの人にアプローチできるように運用します。
さらに、SNS広告を利用することで一度にたくさんの人にアプローチできます。ターゲット選定も可能なので、反応が期待できます。
運用を続けても反響が得られない場合は、自社のビジョンや商品コンセプト、自社の強みに課題があるかもしれないと一度考える必要があります。しっかり運用しても成果が得られない場合は一度見直してみましょう。
見込み客の育成
見込み客の育成目的は購買欲を上げることです。
そのために、見込み客が欲しがっている情報をコンテンツにして提供していく必要があります。
- 業界の常識やノウハウ
- 商品サービス利用者の声
- よくある質問
- セールやイベント情報
- 会社のこだわりや、他社にないオリジナルな技術
これらのコンテンツを盛り込み、文章・写真・動画などどの方法であればより伝わるのかを考え、有用な投稿をしていきましょう。
販売への誘導・強化
「比較・検討の末に選ばれた結果が販売」であるということを押さえておきましょう。
顧客がどこで自社を見つけ、どんな思いで情報収集し、どんな葛藤を抱えながら、何が決めてで購入に至ったのか、そして購入後の生活はどのように変わったのかという、ストーリ性のあるコンテンツを仕上げていくことが大切です。
最終的な意思決定を促すためにはスタッフの営業力を磨きましょう。これまでコンテンツを比較し検討している顧客に対しての営業ですから、プロとして信頼を見せられるかどうかが重要になっていきます。見込み客よりも多くの知識を持って成約につなげていきましょう。
顧客化
マーケティングは一度販売して終わりではありません。新しい商品が出たらまた購入してもらえるようにファンになってもらうことが必要です。
購入前から購入後までを一貫してフォローできるようにソーシャルメディアのコンテンツに力を入れましょう。顧客と良質なコミュニケーションを続けることで、永続的なファンを獲得していきましょう。
そしてそのファンを深いファンにするためには、世の中へ伝えたい価値をコンテンツにして顧客へ届ける必要があります。新しく商品を出しても、この会社のものだから買いたいと思ってもらえるようにブランディングしましょう。
コンテンツの作り方
コンテンツを自社スタッフで作ろうとするとどうしても主観的になり過ぎてしまいます。スタッフには当たり前のことで、難しい専門用語などを並べられても、読者には何のことかわかりませんので興味を引くことができません。
お客様視点でわかりやすく作ることが重要です。
・集客⇨見込み客化⇨販売⇨顧客化というプロセスを経て徐々にユーザーとの距離を縮めていくためには、表面的な情報だけでなく、本の情報から「なぜ?」を突き詰めてたくさんの有用な情報を与えていきましょう。
・商品の性能の説明だけではなく、独自の見解を示すオリジナリティを表すことで、興味を持ってくれるようになります。オリジナリティは唯一無二のものなので、共感しファンになってくれる可能性も高くなります。オリジナリティもあくまでも、見込み客が欲しいと思っている情報である必要があります。
・良いコンテンツはお客様それぞれに合わせた購買意欲を育てる内容になっています。買いたいと思っている人もいれば、まだ興味も持った段階の人、比較段階にいる人様々です。それぞれのお客様にアプローチできる内容があることで、お客様を購買まで育てていきます。
・事例紹介や、お客様の声、レビューやコメントも信頼性の増すコンテンツになります。
・企業独自のこだわりや売りを示し、他の企業と差別化することも大切です。お客様の悩みに答えていく形のコンテンツを作ると、「ためになる 記事」になります。不安や疑問を払拭してあげることができれば、他者よりリードできます。
・スタッフ紹介コンテンツは大きな差別化ポイントです。仕事に対する思いや、エピソード、プライベートでの趣味など人となりが分かることで親しみやすさも現れ、安心感や信頼感も得られます。個人情報を扱うことなのでプライバシー流出には注意が必要です。
・イベントやキャンペーンのコンテンツは価値を伝えることを目的にしましょう。
どんな見込み客も最初は何もわからないので、知識を提供し、信頼感を得ながら、見込み客の判断軸にもなれるように考え方を教えていくことも重要です。
SNSの効果測定
- ページ全体のフォロワー数
- コンテンツのリーチ数
- 「いいね」の数
- エンゲージメント
1ヶ月に一度チェックし、効果測定をしてみましょう。結果を受けて、コンテンツをどう改善していくのかを考えることが大切です。すぐには結果が出てこないと思いますが、継続的な取り組みで効果を上げましょう。
まとめ
ソーシャルメディアマーケティングは泥臭く取り組まなければならず、即効性はありません。
コンテンツを作り、反応を調べ、改善していく地道な努力を積み重ねる必要があります。
目先の売り上げにとらわれることなく、常にゴールを見失わず、努力と情熱を持って、自社のファンを獲得できるように、継続していきましょう。
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