【となりの億万長者】内容まとめ 経済的自立を目指している人におすすめの本

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となりの億万長者 成功を生む7つの法則〔新版〕 著者:トマス・J・スタンリー,ウィリアム・D・ダンコ 訳:斎藤聖美 早川書房

こんな人におすすめ

お金持ちの人に読んで欲しい本ではありません。

豊かになるということはどういうことかをはっきりと理解していない人に読んで欲しい本です。

特に、経済的自立を目指している人には読んで欲しい本です。

20代でも、60代でも、若者から年輩者まで、読む価値があります。

経済的自立のために、必要とあれば、時間、エネルギー、消費行動を変更するつもりがあるというのなら、資産は築けます。

『となりの億万長者』を読むことは、その第一歩です。

となりの億万長者とはどんな人?

「お金持ちはどんな人?」と聞かれたら、「ものをたくさん持っている人」と答えが返ってくるでしょう。

大半はお金持ちの家庭の行動を全く知りません。広告業界や、映画業界はお金持ちになればお金を湯水のごとく使うものだと、私たちの頭に刷り込んでしまいました。

お金持ちと言って誰もが考えるような、いわゆる高級住宅街に住む人々、豪華な屋敷に住み、高級車に乗っている人たちは実際にはあまり資産を持っていません。そしてそもそも資産を持っている人たちは高級住宅街に住んでいないのです。

となりの億万長者とは、経済的自立をすることに強い関心を持ち、資産の大きさから見たら不釣り合いなほど堅実な生活をしている人のことを言います。

ものをたくさん持っていても、お金持ち、富豪、資産家とは言いません。気前よくお金を使う人々は、往々にして大した投資をしていません。含み益を生むもの、家賃収入などの不労所得を生む不動産、株や債権も所有していません。自分の会社も、石油・ガス採掘権、山林なども持っていません。こういう人たちをお金持ちとは呼びません。この本のお金持ちの定義は、ものを持って見せびらかすよりも、将来値上がりしそうな資産を所有することを選ぶタイプの人ことを言います。

『牛を一頭も持っていないのに、大きなカウボーイハットをかぶって、見かけだけは一丁前の牧場経営者って奴がいるんだよね』

億万長者の定義

金持ちかどうかを見るのには純資産で見る方法があります。

『カウボーイハットの大きさではなく、牛を何等持っているかで計る方法』です。

[ 純資産]=[ 現在の資産額 ]ー[ 負債額 ]

純資産額を1億円以上持つ人を億万長者と呼ぶことにします。

この程度の資産なら、その気になればなんとか一代で築けるレベルだからです。

億万長者の80%は一代で財を成した人たちです。

自分の手で財産を気付くことからは、大きな誇り、喜び、満足が得られます。

数え切れないほどの億万長者が、富を築く過程は、目標を達成するよりもはるかに大きな満足感を得られるものだと言っています。

期待資産額

資産の額はその人の年齢収入に大きく影響されます。

収入が多ければ資産も多いはずだし、働いた年月が長ければそれだけ蓄財もできているはずだからです。収入の多い年輩者は、収入の低い若者よりも資産があって当然と考えます。

いくつかの多変数方程式がありますが、自分が金持ちかどうかをはかるには大雑把なルールさえわかっていれば十分です。

[ 期待資産額 ]=[ 年齢 ]×[ 税引き前の年間家計所得 ]÷10ー[ 遺産相続額 ]

期待資産額よりも実際の資産額が上回っていれば蓄財優等生、下回っていれば蓄財劣等生です。

リスクと信念

収入がいくらであろうと収入以下で暮らすことです。そうすることで、突然収入が減ったときにも、生活をある程度維持することができます。

「何をリスクと考えるか」億万長者とそうでない人たちは異なります。

億万長者になる人たちにとっては、収入源が一つしかないことがリスクです。事業を始めるにはかなりの金銭的リスクが生じますが、会社経営をしている人たちは次のような信念を持っています。

  • 自分で自分の運命をコントロールしている
  • 情け容赦ない社長のもとで働くことこそリスク
  • どんな問題に直面しても逃げずに立ち向かい、解決に努力する
  • 社長になる唯一の道は自分で事業を起こすことだ
  • いくらでも、収入は増やすことができる
  • リスクと困難のおかげで毎日強く、賢くなっている

その信念を持っていることによって、精神的リスクを回避しているのです。

蓄財優等生と蓄財劣等生

同じ年齢・所得層の中で、資産額が上位4分の1にあれば、平均以上に資産をためているといえます。このグループを蓄財優等生と呼びます。

資産額が下から数えて4分の1のところにあれば資産の貯め方は平均以下なので、蓄財劣等生と呼びます。

二つのグループの中間は平均と見ます。

あなたは、蓄財優等生ですか?蓄財劣等生ですか?それとも平均ですか?

蓄財劣等生は蓄財優等生グループよりもお金がかかります。蓄財劣等生は一般的に消費性向が高く、収入以上の暮らしをしています。そして、資産を築くのに不可欠な重大なことをきちんとしないので、お金が貯まりません。

倹約、倹約、倹約

倹約とは無駄を省く行動のことです。

倹約の反対語は浪費です。惜しげもなく、どんどんものを買うライフスタイルを浪費と定義します。

倹約は資産形成への第一歩です。

実際に億万長者になる人たちは大変な倹約家です。

守りを重視せよ

資産のある人は次の3つの質問にYESと答える率が高いです。

  • あなたの両親は倹約家でしたか?
  • あなた自身は倹約家ですか?
  • あなたの妻はあなたより倹約家ですか?

億万長者の95%は結婚しています。そのうち7割の世帯では夫が家計収入の8割以上を稼ぎます。こうした金持ちの男たちは攻めに強いと言えます。そして同時に守りにも強いのです。

夫婦のどちらかが浪費家であったら、一代で財をなすのは不可能だと思ったほうがいいでしょう。

「なぜ俺は金持ちじゃないのか?」と思う人は自分のライフスタイルをチェックしてみましょう。

攻めの方(稼ぎ)はどうですか?攻めができているのになぜ資産が増えないのか、正直に認めましょう。それは守りに弱いと言うことです。

億万長者は守りもしっかりしています。

どちらかと言えば攻めに強い人よりも、守りに強いほうがうまく資産を築くことが多いです。予算を立て計画を立てることから守りは始まります。

守ることはスタイルを維持することと同じ

毎日ジョギングをする人たちは、そんなことをしなくてもいいようなスタイルに人たちです。あの人たちは毎日走るからこそ、引き締まった身体でいられるのです。

金持ちも、経済的に心配のないようにと努力しているから金持ちなのです。経済的にゆとりのない人は、今の生活を変えようとしないから、ゆとりができないのです。

誰だってスマートになりたいと思います。そのためには何をしなければならないかも知っているはずです。だけどなかなスマートになれないのは、実行する強い意志の力がないからです。計画を立てて運動する時間を作り出そうとしないからです。

金持ちになるのも同じことです。金持ちになりたい気持ちはあっても、守りの姿勢が出来上がっていないのです。お金を使う前に、時間をかけてきちんと計画を立て、予算を組み、出費をコントロールしなければお金はたまりません。

同所得・同年齢層の中で、お金の心配をしなくてすむ人たちは、そうでない人たちより幸せな生活を送っています。経済的な不安を持たない人は、目標設定が定まっていて、将来の姿を思い描くことのできる人が多いのです。

所得税こそ最大の敵

資産を築くには、課税対象となる、現金所得を最小限におさえ、含み益を最大限にすべきです。

所得税は家計支出の中で最大の費目ですが、それは現金所得に対してかかるものであり、資産全体にかかるものではありません。実際に売却して実現益を出さない限り、資産の値上がり分には税金はかかりません。

高い収入を得ていながら、資産の低い家庭では、金のかかるライフスタイルを保つために、現金収入を最大限にしてしまいがちです。

時間・エネルギー・金

彼らは資産形成のために、時間、エネルギー、金を効率良く分配しています。

実際、蓄財優等生は、蓄財劣等生の2倍の時間を資金運用のためにかけています。

・投資はじっくり型

お金を増やそうと考えたとき、蓄財劣等生はすぐに結果の出るものを選びがちです。じっくり待つ方が増えることを知っている蓄財優等生は急ぎません。その結果、蓄財優等生と蓄財劣等生に差が出てしまいます。

・自分で投資先を決める

蓄財優等生は、比較し、調べて、自分で信用できる人に依頼して、投資先を決めます。人任せにすることはありません。

・投資アドバイザーの見極めにお金をかける

誰にアドバイスをもらうかは重要です。自分で投資もしていない投資アドバイザーからアドバイスをもらうことはありません。蓄財優等生は、人との繋がりも大事にしているため、信用できる税理士や弁護士などから投資アドバイザーを紹介してもらいます。投資アドバイザーによって、投資の結果も大きく変わるので、アドバイザー選びも慎重になるのは当たり前だと考えます。

親の経済援助

億万長者の親は、社会人となった子供たちに経済的な援助をしていません

子供に経済的援助を与えている親は、若い頃に資産を築き、質素でお金をあまり使わない生活をしてきました。ところが子供や孫にプレゼントとなると、途端に歯止めが効かなくなってしまいます。子供やその家族を経済的に助けてやらなければ、と半ば義務のように思い込んでいるのです。

その結果、親のスネをかじる子供は親の世話にならずに自立している同世代、同所得層の人々より、はるかに少ない資産しか築いていません。経済的援助を与えれば与えるほど、子供は資産を蓄えず、援助が少なければ少ないほど、資産を築くようになります。

支援してやらなければ、中・上流階級の暮らしができなくなってしまうと心配して、親は子に経済的な援助を与えます。おかげで、金持ちの親を持つ子供は、あたかも収入がある、中・上流階級の一員のように振る舞います。ですが、そのライフスタイルは見せかけでしかありません。

経済援助をしてあげる側は、援助してあげれば子供はちゃんと独り立ちして、そのうち面倒を見なくても良くなるだろうと考えますが、残念ながらそうはいきません。子供は所得と不相応な暮らしをしてしまいます。

親から援助を受けている人は以下のようになります。

  1. 与えられた金は貯蓄よりも消費に使われる
  2. 自分の財産と親の財産を同一視する傾向がある
  3. 借入金に頼る割合が高い
  4. 投資に回す金額が少ない

子供に魚釣の仕方を教えなさい

子供にお金をあげるのではなく、倹約のしつけをすることが一番です。

倹約の大切さを教え込まないと、子供はお金を使いまくり、親からお小遣いをもらわなければやっていけなくなってしまいます。

もし何かを与えようとするのならば、それは教育です。

億万長者が、親から受けた経済的援助の中で一番多かったのは学費です。自立性を重んじ、1人で何かをやり遂げるように激励します。責任ある態度を大いに褒め、リーダーシップを発揮したときは喜んであげます。他人に頼らず1人で生きることを子供に教えるべきなのです。それは、金のかからないことばかりか、長い目で見ると、子供にとっても、親にとっても、最善であると言えます。

経済的援助よりも勇気を

「勇気」とは「反対・逆境・困難に立ち向かう精神的強さ」と定義されています。それは難関や危険に直面してもひるまない強い気力を意味します。

勇気は生まれつきのものではなく、努力で身につけることができます。しかし、リスク、困難、危険が全て取り除かれてしまった環境で勇気を身につけるのは不可能に近いです。

資産家の両親がしっかりした子供を育てる場合

  1. 子供に両親が金持ちだと絶対に教えない
  2. どんなに金があろうと、子供には倹約とけじめを教える
  3. 子供が大人になり、自己管理ができるようになり、きちんとした職業について安定した生活を送るようになるまで、親が金持ちだと気づかせてはいけない
  4. 子供や孫に何を遺産に与えるつもりかなるべく話をしない
  5. 現金や高価なものを駆け引きに使わない
  6. 巣立った子供の家庭のことには立ち入らない
  7. 子供と競おうと思うな
  8. 子供はそれぞれ違う独立した人間であることを忘れるな
  9. 成功を物で計るのではなく、何を達成したかで計るように教育しよう
  10. 子供にお金よりも大切なものがあることを教えよう

健康、長寿、楽しい生活、愛する家族、自立心、よい友達。そう言うものの方がお金よりもずっと大切です。

億万長者になるためには

  1. 収入以上の生活をしない
  2. 資産形成のために時間を使う
  3. 世間体を気にしない
  4. 親からの援助に頼らない
  5. 経済的に自立するよう、子供たちを育てる
  6. 上手にビジネスチャンスを掴む
  7. 時代にマッチした職業に就く

経済的にしっかりした基盤を持とうと考えているなら、それはきっと実現できます。

しかし、良い暮らしをするためにお金が欲しいと思っているのなら、一生お金は貯まりません。

成功の鍵 3つ

  • 自分をコントロールする精神力
  • 犠牲をいとわぬ態度
  • 勤勉さ

心からの経済的自立を望んでいるであれば、あなたも、あなたの家族も、この目的のためにライフスタイルを変更する必要があります。

時間、エネルギー、消費行動を変更するつもりがあるというのなら、資産は築けます。

経済的に自立することは十分可能です。

読んだ感想

アメリカの本を訳したようで、縦書きになっているのは少し読みにくく感じました。ドルの計算がすぐできないのが読み進めるのには大変でした。

億万長者のアンケートをもとに、事例の紹介があり、お金持ちでも蓄財優等生と蓄財劣等生がいることがわかりました。それぞれのお金の使い方、考え方をよく学ぶことができました。

将来、経済的に自立したいと思うのであれば、蓄財優等生になるべきだなと思いました。

  • お金持ちの考え方
  • 時間、お金、エネルギーの使い方
  • 子供への援助の仕方

大事なことがわかる本でした。

私自身は、親から「うちは貧乏だ」と聞いていて、よくお小遣いも貯金していました。その結果、自分自身はとても倹約家であると思います。この本の通り、倹約家ではあるので貯金はありますが、資産を増やすと言う考え方はありませんでした。これからは資産を増やすことを視野に入れ、蓄財優等生を目指していこうと思います。

アメリカでの調査結果なので、日本でも可能なのかわかりませんが、経済的自立を目指してライフスタイルの変更においてできることはやっていきたいと思います。

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