【 アメリカの高校生が学んでいる お金の教科書 】 アンドリュー・O・スミス 訳:桜田直美 SBクリエイティブ株式会社
Financial Literacy for Millennials
こんな人に読んでほしい
高校生、大学生におすすめのお金の本じゃ。
高校生や大学生に、自分で働いて稼ぐようになる前に読んで欲しいお金の教科書です。
『お金』と『仕組み』『法律』について学ぶことができます!
また『仕事』や『キャリア』について考えることにも役立ちます。
なかなかお金が貯められない、お金の使い方が下手だと思う大人の方にもぜひ読んで欲しいです。
お金と賢く付き合い、たくさんの人生目標を達成する手助けになります。
お金とは何か
お金とは欲しいものや必要なものを手に入れる手段でしかない。
お金にはお金によって手に入れるものやサービスと同じ価値がある。
ものやサービスの価値をお金で表す機能のことを価値の尺度という。
また、お金にはものやサービスと交換しなくても「お金そのもの」にも価値がある。
後で使うために貯めるということもできる。
経済的に自立するためには
自分のお金の面倒を見るのは自分しかいない!
真っ先に知っておかなければいけないことは、周りにいる全ての人があなたのお金を奪おうとしているということじゃ。
ファーストフードのハンバーガー屋さんも、ゲームセンターも、遊園地も動物園もみんなあなたからお金を得ようとしている。
お金を使う場面で、どういう決断をするかで、お金に苦労する人生を送るかどうかが決まる。
大切なのは「あなたのお金に対するあなたの決断が、あなたの未来を決める」といこと。
誰か他の人のせいで、困った事態に陥ることもあるけれど、大抵の場合人生で怒ることは自分の決断の結果だ。
人生設計の要素
幸せで充実した人生を送るためには次の項目について、自分がどうしたいのかじっくり考えておいたほうがいい。
- 教育
- キャリア
- 恋愛・結婚
- 家族
- 物質的な豊かさ
- 老後の生活
仕事とキャリアについてはこちらの記事で紹介しています。
お金の計画
お金の計画とは、人生の中でお金に関する要素をピックアップし、具体的な戦略を立てることだ。
- 支出
- 収入
- 貯金
- 借金
- 安心(保険など)
人生設計の要素に合わせて、その時のお金の計画を立てておこう。
貯金とは
貯金とはお金を使わないで貯めておくこと。
今日お金を使わないということは、明日お金を使う能力が手に入るということじゃ。
明日というのは実際に明日でなくても、来週でも来月でも来年でもいい。
貯金ができる人は、目の前に欲しいものがあっても、将来の大きな目標を達成するためにグッと我慢する。
貯金の仕方
お金が入ったら貯金する分だけすぐに切り離し、どこか別の場所に置いてすぐに使えないようにする。
自分でお金を管理して貯金できるのであれば一番いいけれど、最初からなかったものとして、別の場所で貯めておくことで、お金を使わずにすむ。
銀行とは
銀行には、個人やビジネスからお金を預かり、個人やビジネスにお金を貸す機能がある。
顧客から預かったお金で主に二つのことを行なっている。
一つは、顧客のお金を管理すること。顧客が現金を必要になったら引き出しに応じ、また口座引き落としのサービスも行う。
もう一つは、顧客から預かったお金を事業に貸し出すと言う仕事。
手数料も銀行にとって貴重な収入源だ。
手数料を払いすぎないように注意しなければならないぞ。
ちゃんと調べて利用すれば手数料がかからない。無駄な出費を減らすことができるんじゃ。
銀行口座
銀行と顧客が結び口座を開設する。
銀行にお金を預けるのは、そのほうが安全であり、支払いに便利だからである。
ATM
銀行の支店の代わりになるもので、どこでもお金を引き出したり、預けたり、振り込んだりすることができる。
ただし自分の持っている銀行と別のATMを使うときや、使う時間によっても手数料がかかるので、手数料のルールをきちんと調べて、無駄なお金を払わないように気をつけよう。
デビットカード
買い物をした瞬時に口座から代金が引き落とされる仕組みのカード。
口座に入っている金額まで使うことができる。
プリペイドカード
あらかじめチャージした金額まで使えるカードのこと。
チャージした分しか使えない。
デビットカードもプリペイドカードにも残高不足でも買い物ができる機能がついていることがあるが、それはクレジットカードとあまり変わらない。
残高を気にしないで買い物をしてしまうとついつい使いすぎてしまうことに注意が必要。
エレクトロニックバンキング
銀行の業務におけるコンピューターのシステムのこと。
クレジットカードの支払い処理、顧客がインタネットで口座の残高を確認するのも、別の銀行の口座にお金を振り込むのも、モバイル決済を処理するのも、ATMで現金を引き出すのも、全てこのシステムがあるからできる。
預金保険
銀行が破綻しても顧客の貯金を守ってくれる預金保険。
ひとつの銀行につき1000万円まで保証される。
この預金保険のおかげで安心して銀行にお金を預けることができる。
銀行以外の金融機関
保険会社
災害や不幸な出来事に備えるための金融商品の保険を売っている会社。
証券会社
株、債権、投資信託、国債などの証券の売買と、顧客や自分たちのための投資を行う。
また証券会社で口座を作ったり、お金を借りたりすることもできる。
クレジットカード発行会社
クレジットカードを発行できるのは、銀行、小売店、石油会社、信販会社など。
投資銀行
大きなビジネスや企業のための、社債や株の発行、企業買収、金融工学などの特別な金融サービスを行う銀行。
プライベートエクイティ・ファンド
富裕層、年金基金、基金、保険会社など、資金も知識も豊富な投資家からお金を預かり、運用する会社。
ヘッジファンド
富裕層、年金基金、基金、保険会社などから資金を集めて、デリバティブや商品取引を駆使したより複雑で高度な運用を行う。市場が下落したときに利益が出るようなポジションをとっている。
商工ローン
事業資金を貸し出すビジネス。銀行とは異なり、支店がなく口座もない。
ファンドマネージャー
金融資産を運用する専門家。
モバイル決済
スマートフォンでの支払いに使われるシステムがモバイル決済。
店頭でスマートフォンで決済しても、最終的にはクレジットカードやデビットカードでの支払いになる。
予算設計の第一歩
予算を立てる最初のステップは、「全ての収入と全ての支出を把握すること。」
予算の区切りは1ヶ月毎にするのがわかりやすい。そして1年分の予定を立てる。
1ヶ月分丁寧に出費を記録すれば、自分の支出パターンが見えてくる。
- 家賃にお金をかけすぎない
- 小さな出費に気をつける
- もしもの備えを万全に
予算を立てるときは、支出に「貯金」と「緊急事態」という項目を入れておくといい。
貯金のお金は最初からないものと考えれば、使いたい誘惑に打ち勝つのも簡単になる。
その他、人生でお金がかかることについても考えておく必要がある。
- 自動車
- 家(家賃)
- 大学
所有するのも借りるのも、自分のスタイルと人生設計に合わせて考えよう。
物の値段はどう決まるか
価値を構成する要素は、値段と質できまる。
賢い消費者になるために
契約のサービスで気をつけたいのは、解約の決まりだけはきちんと確認しておくこと。
そうすれば、高額の解約金を払わずに済む。
家電を買ったときなど、店でつける延長保証も店にとっては簡単に儲かる商品。
店にとって簡単に儲かるものは、大抵消費者にとっては損になる。
借金と返済計画
ローンとはお金を持っている人が、お金が欲しい人に対して、ある一定の条件の下で、お金を貸すこと。
ローンは必ず返さなければいけないぞ。
そしてお金を借りたら、借りた金額の他に利息も払わなければいけないんじゃ。
お金は利息を稼ぐことができるので、明日手に入れるお金より、今日持っているお金の方が価値はある。
これをお金の時間価値という。
担保
貸したお金が返ってこないリスクが大きい場合は、利息を高くするという方法があるが、あまり利息を上げすぎると誰も借りられないという事態になってしまう。
そこで、返済のリスクを小さくするもう一つの方法が「担保」を取ること。担保は土地などの何か価値のあるもので、もし貸したお金が帰ってこなかったら、貸し手は代わりに担保を自分のものにできる。
住宅ローン
家を買うときに組むローンのこと。
住宅ローンでまず確認したいのは、固定金利か、変動金利かということ。
固定金利の場合は金利が変わらないが、変動金利の場合は最初の金利が低く抑えられ、年数が長くなるにつれて金利が上がっていく。
もう一つ考えなければならないのは、毎月少しずつ返済していくのか、それとも返済期日に一括で返すかということ。ローンの長さも大切。
貸し手によっては、ローンを組むときの手数料も返済額に入れているところもあるので、その点も確認が必要。
不動産購入の取引には、不動産仲介業者、司法書士、銀行など様々な人が関わるので、彼らに払う手数料はかなりの額になる。そして住宅ローンは住宅を担保としたローンなので、返済ができなくなったら住宅は差し押さえられる。
このように住宅ローンは様々なコストがかかり、差し押さえというリスクもあるが、大抵の人はローンを組まなければ家を買うことができない。
金利と複利の仕組み
どんなローンであっても、借りたお金の利用料を払わなければならない。
金利は大抵「年に〇〇%」という形で表される。借りたお金の全額は元本と呼ばれ、元本に利率をかけた額が利息になる。利息には単利と複利がある。
単利の場合、利率が1年に12%で元本が10万円で、返済期間が1年の場合、1年間の利息は1万2000円になる。
複利の場合、利率が1年に12%で元本が10万円で、返済期間が1年で、1ヶ月複利の場合、1年間の利息は1万2684円になる。
複利は、利息が上乗せされた金額にさらに利息がついていく仕組みになっている。1ヶ月複利の場合は利率1ヶ月1%の利息が元本に毎月追加された金額に利率をかけて計算される。
利率が1年に12%で、1ヶ月複利だった場合は本当は本当は12.68%だ。
この本当の金利を実行金利と言う。
もしこれが1日複利だったら、1年の終わりには1万2747円の利息を払うことになり、実行金利は12.75%になる。
ほとんどの金融機関は1日毎の金利を使ってローンなどの計算をしている。住宅ローンは1ヶ月毎の返済額が決まっているので月毎の金利で計算するのが一般的。
この年利に、手数料などのコストを加えた実質的な年利をAPRと呼ぶ。
APRがわかれば、本当に払う金額もわかるので、ローンの比較がしやすくなる。
償却とは
住宅ローンは元本を償却しながら返済するローンの典型。
毎月同じ額ずつ返済すると言う方法もあれば、元本を分割して少しずつ返済し、最終の支払いでかなり高額になる残高を一括で返済するという方法もある。これをバルーンペイメントという。
クレジットカードの使い方
クレジットカード払いの場合、一括払いか分割払いかを選択することができる。
分割払いを選ぶと、残高は借金となり、利息を取られることになる。
客がカードで買い物をすると、カード発行会社が店に代金をすぐに振り込む。店側が手数料を払ってでもカードを使えるようにしたいと考えるのは、この即時入金が魅力だからだ。
クレジットカードの金利はとても高い。クレジットカードはとても便利であり、現金がなくても欲しいものをすぐに買うことができる。しかし、安易にカードで買い物をして借金を増やしていくと、ある日突然借金で首が回らなくなる。
クレジットカードの支払いは、いつも一括払いにすること!
もう一つ大事なことは、自分に合ったカードを選ぶこと。
年会費の高いカードには優待がついていることもあるけれど、利用金額が高額になる人でなければ意味がない。
うっかりして返済が遅れたり、緊急時でどうしても一括で払えなかったりする場合に備えて、なるべく金利の低いカードを選ぶことも大切。
自動車ローン
自動車ローンとは、自動車を借金で買うためのローン。
購入した自動車が担保になっているので、ローンが返せなくなったら車を差し押さえれられる。
リコースローン:何があっても借りた金額を最後まで支払う義務がある。差し押さえの自動車を売却してもローンの残高がなくならなかったら、残りのローンを払わなければならない。
ノーリコースローン:担保の自動車を差し出すだけで借金返済の義務からは解放される。リコースローンよりも金利が高くなる。
カーリースの実態は金利の高いローン。リースの貸し手は契約満了時に自動車を売った場合の値段を考慮してリース料を決めている。自動車を売る値段と残存価格の違いはローンの元本に当たる金額だ。
使ってはいけないローン
使ってはいけないローンはペイデイローン。
給料を早くもらうローンで給料が入ったら返済するという短期のローン。
短期のローンにしては利息が高い。
信用はどう数値化されるのか
お金の貸し手は、ローン申込者を審査するときに信用情報を利用する。
信用情報とは、ローン申込者の返済履歴や借入状況といった情報のこと。ローンの貸し手はその情報を参照してローン申込者を審査し、お金を貸すか貸さないか、かすとしたら利率や返済期間はどうするかといったことを決めている。
- 本人確認情報:社会保障番号、住所、氏名、誕生日など
- クレジットヒストリー:住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードなど、申込者が利用していたまたは現在も利用しているローンや返済状況についての情報。
- 利用記録:ローンの申請やクレジットカードの申し込みがあり、誰かがあなたの信用情報を確認したという情報。
- 公的な記録:破産、訴訟、賃金差し押さえ、担保差し押さえなどの記録。
信用情報が数値化されるクレジットスコア
クレジットスコアはフェア・アイザック社(FICO)が、個人の信用力を数値化するモデルを開発した。返済履歴と借金の残高、信用取引の利用期間、利用した信用取引の種類、新しい信用取引の申請頻度などが考慮される。スコアは大体300〜850点になり、点数が高いほど信用力も高い。大抵の人は600〜750点の間に収まり700点以上が良い点数とみなされる。
債権回収の恐怖
貸し手が「この借り手はもう返済できない」と判断すると、貸し手の会社の中で他の部署に回したり、または借金の取立てを専門とする他の会社に債権を売却したりする。
お金の問題は、大抵の場合、借金が多すぎることじゃ。
借金は人間関係を悪化させ、本人の幸福度も著しく低下する。
もし何らかの借金をしなければいけないのなら、慎重に考え、なるべく少額に抑え、返済期間を短くし、そして現実的な返済プランを立てることを心がけよう。
破産とは
破産とは借金が免除される、あるいは大幅に減額されるための法的な手続き。
破産という制度があれば、やむにやまれぬ事情で借金が返せなくなった人も、重荷から解放されて新しい人生を始めることができる。
破産によって借金が帳消しになると、損をするのは貸し手だ。お金を貸している人は、大抵百戦錬磨の企業なので、債務者の誰かが破産しても損が出ないように工夫している。
破産は精神的なダメージも大きく、手続きも複雑でお金がかかる。周囲のイメージも悪くなってしまうことも多い。クレジットスコアに傷がつき、将来ローンを組むときに金利が高くなってしまうこともある。資産や将来の収入の一部を失い、そして一度破産したら後7年は破産することができない。
破産してしばらくの間は信用取引が難しくなる。最低でも5〜10年は破産の記録が残される。破産してから新しい仕事を見つける場合は、破産が足かせになる可能性が高い。破産については正直に話した方がいい。
お金の問題は、支出が収入を上回っているか、予想外の出来事で急に大金が必要になることなんだな。そうならないために、生活習慣を変えるか、仕事を変えることを見直すことが重要じゃ。
投資の基本
安全な投資はリターンが少なく、危険な投資はリターンが大きい。
リスクが高くなるほどリターンも高くなり、リスクが低いほどリターンも低くなる。ここで大切なのはリターンを長期的に捉えること。
投資を長期で考えるのが大切なのは、複利効果があるからじゃ。
複利では、元本に利息がつくだけではなく、元本に利息をプラスした額にも利息がつく。
投資のリスクは、運用のある時点で損が出る可能性と、期待したリターンを達成できないこと。また保有している資産をすぐに現金化できないのもリスクのひとつ。
投資には市場リスクもある。金利や投資家心理の変化といったマクロ経済的な要素も投資に影響を与える
その投資のリスクに対する態度で、リスクをどれくらい受け入れられるかということを「リスク耐性」と表現する。リスク耐性が高い人ほどハイリスク、ハイリターンの投資をする。
株式投資
会社を始めるにはお金が必要だ。お金を出してもらった会社はその代わりに株を渡す。そして株は出資した金額の分だけその会社を所有しているという証拠になる。
一般の投資家からお金を集めたい会社や、多額の資金を集めたい会社は株式市場を活用することになる。
会社が初めて株式市場を使って資金を集めることを「新規株式公開(IPO)」という
株が売れたお金は全て会社のものになり、会社はこの資金を使って事業を行うことになる。
会社の株が市場に上場されると、株の持ち主は市場を通して株を売り、一般の投資家は市場を通して株を購入することができる。
株の取引が成立するには売り手と買い手の両方が存在し、両者が価格で合意する必要がある。
会社の株価を決める要素はたくさんある。
- 利益をあげているか
- 成長しているか
- 経営チームは優秀か
- 業界に魅力があるか
- 忠実な顧客がついているか
投資を行うのは人なので、投資家の感情や心理も市場心理に影響を与え、株価にも影響を与える。
株の買い方
株を買うには、まず証券会社に口座を開く必要がある。取引にかかる手数料は証券会社によって違うので、なるべく手数料の安い会社を選ぼう。
口座ができたら、自分の銀行口座などから資金を移し、株の売買を始める。
個別株の売買はほぼ間違い無く損をする。株式市場を長年にわたって研究している学者やアナリストたちによると、リスクを最小限に抑える方法は分散投資だと言われている。好きな会社の株だけを買うだけでは無く、10社〜20社で業種も業態もバラバラにした方がいい。
そうしておくと、たとえどこかの会社の株は下がっても、全く違う業態の他の会社の株価が上がったりして、全体としては大きな損失を出すことがなくなる。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金を使って、プロが株式投資を行う金融商品のこと。
プロが選んだ多様化されたポートフォリオ(保有している株や債権の組み合わせ)を保有することができる。投資信託はネット証券を使えば売買手数料はかからない。
ただし、プロが行う株の売買や運用には手数料を払うことになる。「目録見書」と呼ばれる書類を読んでよく確認しておこう。
投資信託は金融機関から買うことになるが、EFTは株と同じように市場で売買できる。市場での売買には、瞬時に取引できる、取引の方法がいろいろあるなどの利点がある。
投資信託には「アクティブファンド」「インデックスファンド」がある。
アクティブファンドはプロが独自に選んだ銘柄で構成されていて、市場の平均よりも上の運用成績を目指している。インデックスファンドは市場平均と同じような動きになるように銘柄が構成されている。
インデックスファンドを買って株式市場に全体に投資する方が、個別株やアクティブファンドを買うよりもリスクが低く、長い目でみた運用成績も一番良くなる。着実に資産形成したいのであれば、毎月決まった額を購入する「積立投資」が一番いい方法。
ETF
ETFと呼ばれる金融商品もある。
基本的には投資信託と同じものだが、株式党内上に取引所に上場されている。
投資信託は金融機関から買うことになるが、EFTは株と同じように市場で売買できる。市場での売買には、瞬時に取引できる、取引の方法がいろいろあるなどの利点がある。
ドルコスト平均法
毎月の購入額を一定にして投資をしていく方法。
株価が下がっているときはたくさん買い、株価が上がっているときは少なく買うことができるので、購入価格を抑えられるというのがドルコスト平均法の利点。
毎月同じ額を積み立てるので、貯金の習慣をつけるという意味でも役に立つ。株価の動きに一致一憂する必要もないので、精神的にも落ち着いていられるだろう。
株価指数の見方
株価指数は様々な業種からなる多くの銘柄を集め全体の値動きを表した数字のこと。
実際の指数よりも、その指数がどういう動きをしているかということが重要。
株価指数は市場の動向を知るために活用されている。
債権
会社が借金で資金を集めたい場合は、株ではなく債権と呼ばれる有価証券を発行する。
債権は借金なので、会社は投資家に定期的に利息を払い、最終的に元本を返済することになる。
株を買った人は会社の所有者で、債権を買った人は会社にお金を貸している人じゃ。
会社が倒産したら、債権を持っている人は株主よりも優先して資金を回収できる。
債権が安全であるほど利息は安くなる。
自分の人生設計をよく考え、それにあった投資商品をきちんと選んでいれば、たとえ値下がりすることはあってもそれはいい投資になる。
金融詐欺
ピラミッドスキーム
いわゆるネズミ講のこと。
絶対に儲かる投資があると言って会員を集め、全員の出資金をさらに古い会員に支払うことで、あたかも投資の利益が上がっているように見せるが、実際の投資は行っていない。
最初の少数の会員がピラミッドの頂点になり、新しい会員がピラミッドの底辺のような構造をしているのでこの名前がついた。
オフショアや海外投資という言葉にも注意が必要
ライセンスのないブローカーが「今だけのチャンス」などと言ってきたら、それは間違いなく詐欺である。海外投資がしたいのであれば、証券会社を通じて合法的に行えばよい。
誰かがあなたになりすます
マイナンバー、銀行口座番号、クレジットカード番号など誰かがあなたの個人情報を盗んであなたになりすます。そうして、資産を盗んだり、個人情報を勝手に使って借金をしたりする。
この詐欺の被害者は大抵不正に気づかず、そして気づいたときはすでに手遅れ。
なりすまし詐欺に遭わないようにするためには普段から個人情報の管理をしっかりしておくことが大切。
住所、氏名、生年月日、クレジットカード番号、キャッシュカードの暗証番号、郵便物、クレジットカードなどの明細、ゴミ、信用情報など。スマートフォンやパソコンは安全に使おう。
フィッシング詐欺
ワンクリックの罠。ウェブサイト、SNS、メールを使ってパスワードやお金を盗む詐欺。
フィッシング詐欺にあわないためには、知らない人からのメールの添付ファイルは開かない。知っているアドレスからのメールでも、文の内容がおかしいなという場合は、信用してはいけない。
ネットショップや小売店のメールも装っている詐欺メールの可能性もあるから気をつけよう。
楽してお金持ちになる方法はない
高級車を乗り回し、大豪邸に住んでいて、しかも美男美女ばかり。。
その「秘密」を売っている詐欺師がいる。
その「秘密」を手に入れるためにはお金を払わなければならない。セミナーを受講させられたり、DVDや本を買わされたりする。一度申し込むと知らないうちにクレジットカードや銀行口座で毎月引き落としになっていることもある。
彼らが教える秘密の中身自体が必ずしも詐欺に当たるわけではないが、実際に言うほど儲かることは存在しない。それには真実も混ざっていて、あたかも本当らしく聞こえてしまうのだが、信じてしまうと結局は自分が損をすることになる。
不動産投資、健康食品、ダイエット食品、税金の還付金、頭が良くなる薬、楽して儲かるビジネスなどがある。
マルチ商法
マルチ商法は一般の人が企業の会員となり、自分の知り合いなどに企業の商品を販売する。
そしてそれが実際に売れると、売り上げの一部が自分のものになる。さらに会員は新しい会員の勧誘に成功した場合も手数料がもらえることになっている。
マルチ商法は、純粋な商品やサービスの販売というようりも、むしろ怪しい投資話に近い。会員の主な目的は、商品やサービスの販売では無く、たくさん会員を勧誘して会員ピラミッドの上に改装に行くことになっていることが多い。
一度マルチ商法にハマってしまうと、家族や友達から信頼を失ってしまうこともある。
ギャンブル
ギャンブルをよくする人にはたまに勝つ人もいるだろう。しかし長い目で見れば必ず負けの方多くなる。宝くじも、カジノも、パチンコも、全て胴元が儲かる仕組みになっている。
ギャンブルの恐ろしいところは中毒性があることだ。依存してしまうと経済的破綻しかねない。
詐欺を見分ける手がかりは、リターンが高すぎること、もう一つは運用成績が安定しすぎていること。投資の内容を秘密にしているもしくは、複雑すぎて理解できないといった特徴がある。
保険
保険とは損失のリスクを移転させる契約。
契約者は保険料を払うことで、その代わりに何か損失があったときに補償を受けることができる。
- 火災保険
- 賃貸保険
- 自賠責保険
- 自動車保険
- 医療保険
- 生命保険
- 賠償責任保険
その他にも様々なリスクに対する保険がある。
契約する前に考えておきたいことは、そのリスクを自分で回避できるものであれば加入する必要はないということじゃ。
保険のサービス内容もしっかり確認した上で、損失を全てまかなうことができるのか、一部のみ補償されるのか、自分にあった保険を選ぶことが重要である。
税金の基本
税金とは国や地方自治体から強制的に徴収されるお金で、納税者に課された義務である。
税金が発生するきっかけは「資産」「所得」「取引」の3つ。
自動車や、不動産など資産を所有していると税金を払う義務が生じる。お金を稼いだときも所得税を払う。買い物などの取引をしたときにも税金がかかる。
税金は、市民が行政のサービスに対して払う料金である。
税制はビジネスの行動にも影響を与える。もし自分でビジネスをしようと考えているのであれば、税金についてもきちんと勉強しておいた方がいい。
老後の資金計画
公的年金制度があるので、個人的な備えがなくても完全な貧困状態に陥ることはないが、少しでも余裕のある暮らしがしたいと思っているのであれば、自分でもお金を用意しておかなければいけない。
確定拠出年金:自分で拠出したお金を運用し、老後に年金として受け取る制度
貯金は稼いでいるときにしか貯めることはできないので、今使うことをやめて、後で使うようにためなければいけない。
遺言と遺産についても自分がもしも死んでしまったときに、財産をどうするかも考えて残しておくといい。
絶対に覚えておきたいお金のヒント
- お金の管理はシンプルに
- 質素に暮らす
- 借金をしない
- ひたすら貯金
- うまい話は疑う
- 投資の多様化
- 全てのものには税金がかかる
- 長期で考える
- 自分を知る 生き方や人生について考える
- お金のことを真剣に考える
最初の仕事のヒント
- 第一印象をよくする
- 時間厳守
- どんなにつまらない仕事でも喜んでする
- 細部に気を配る
- 自分で考えて動く
- 質問をする
- 仕事をくださいと言う
- 話す量よりも聞く量を多くする
- 仕事の優先順位を決めるのは上司の仕事
- 時間管理
- 上司を管理する
- 会社は政治である 人が集まる場所なので緊張と争いも生まれると言うことを知っておこう
大学生活のヒント
- 旅行する
- 積極的に友達を作る
- 授業をさぼらない
- いろいろな活動に挑戦する
- パーティーは控えめに
- みんなが自分より優秀に見えても心配しない
- 大学は勉強する場所である
- 健康管理
- 体重管理
- 自分の身を守る
- キャンパスのイベントに参加する
- 大学のある街を探索する
新社会人のためのヒント
- 人は人格で評価される
- 常にポジティブ
- 学び続ける
- 付き合う人を選ぶ
- 勤勉に働く
- 自分の能力を主張する
- バランスを大切に
- 人生は何が起こるかわからない
- いい結婚をする
- 家族計画
- 健康を維持する
- 社会に貢献する
読んだ感想
「お金のこと」について、「仕事」について、「人生設計」についてたくさんのことを学べました。
知っておいたほうがいい重要なことがまとまっている本なので、高校生や大学生の早いうちに読んでおいたほうがいいです。私も、早く読んでおきたかったなと思いました。
大人になって読んでも、知っている項目ともう少し学びたいなという項目と、改めて考えさせられる項目があるので、またそれぞれの項目について深く学ぼうという気持ちになりました。
仕組みを知っておくのも大事だし、詐欺などの危険についても知っておくことで備えられることもあると思います。
「お金に困らない!仕事に困らない!」というのが私の目標なので、もっと勉強して、実践して、自分の人生目標を達成していきたいと思います。
紹介させていただいた内容は一部ですので、もっと詳しく読みたい方はぜひ読んでみてください。
コメント