【 いつでも「最良」を選べる人になる 】 杉浦莉起 ディスカヴァー・トゥエンティワン
こんな人に読んでほしい
- 自分が選んだことによく後悔してしまう人
- 自分の選んだことが正しいのか分からない人
- 選び方の基準を知りたい人
選択肢が多く日々悩んでしまう女性に向けた本です。
感想
私も優柔不断でなかなか選ぶことができません。
友達とのランチや、スーパーでのレジ並び、旅行先の決定などなかなか決められずに悩んだり、選べなかったりしてしまいます。
それでも、『自己肯定感を上げるには、自分の小さな欲を少しずつ叶えてあげることの積み重ねが大切』と別の本で読んだので、自分の中で選ぶ基準を作り、自分で選ぶようにしてきました。そして、この本を読んだことで、その基準の決め方や、選び方、自分の理想がより明確になりました。
本当に選べない人に向けた本ですが、選べる人も、自分がどのように選択しているのか、再確認することができます。
「選んだ選択肢を最良にする」が結局のところ一番大事だと思っていましたが、そのための選択肢の導き方がより大事だということがわかりました。
人生は選択の連続である
私たちが学ぶことは、「どれを選べばいいか」ではなく、「どうやって自分で判断して選ぶのか」です。
「最良」を選ぶとは、「いつ誰が見ても最良(ベスト)」なものを指すのではなく、常に「私にとっての最良」を選べることです。
真に「手に入れたい」「必要とする」「私を幸せにする」を満たす、本質や重要なものを選ぶことが大切です。
選ぶ力が必要な理由
変わりゆく世界の中で、私たちの選択肢はどんどん増えています。
権利や、男女平等、働き方の多様化など、社会の制度や、価値観に変化が起きていることで、世の中は、人生も仕事も、全て自由に好きなように選ぶことを後押ししてくれていると言えます。
全部好きなように選んで良いということは、選ぶことが増え、選ぶタイミングが増え、選ぶ際に関わらなければならない人も増えるということです。
選ぶことによる2つのシナリオ
ロボットや、AIが当たり前のようになってくると、また生活スタイルや働き方、人とのつながり方も変わっていきます。そのことにより、2つのシナリオが想定されます。
- 明るい未来のシナリオ
- 暗い未来のシナリオ
明るい未来のシナリオ
面倒な労働や忙しい時間から解放され、長生きして、もっとやりたいことがたくさんできる、素晴らしい未来です。
暗い未来のシナリオ
仕事がなくなり、人との対話が減り、心も体も疲弊し、孤独な老後生活を送る、暗い未来です。
生活スタイルが二極化し、格差が広がっていく社会の変化が、すぐそこに迫っています。
この明暗を分けるのは、積極的に選ぶかどうかです。
ワーク&ライフ・カスタマイズ
近年よく言われているワーク&ライフ・バランスではなく、
ワークもライフも自分なりに選んでいくワーク&ライフ・カスタマイズを実現するのです。
積極的に選ばなければ、欲しいものや求めている生活は手に入らないかもしれません。
自分が、「どう生きていくか」を選んでいかなければいけません。
選ぶ力を磨くことはいつからでも遅くはありません。
自分で積極的に選ぶ機会を意識することで、きっと幸せが向かってきます。
これから先の、わたしの人生をつくっていくのは選択次第なのです。
選び上手のマインド
- わたしが選ぶと決める
- わたしの人生のオーナーになる
- 人生のリーダーになる
わたしが選ぶと決める
いつもと違うものを選べば、いつもと違う自分に出会えて、いつもと違う人生が始まります。
選ぶことに消極的になってしまっている人は、すぐマインドを変え、「わたしが選ぶ」と決めましょう。
選べば選ぶほど、ワクワクして、健康的に暮らしていけるということを、実感してみましょう。
わたしの人生のオーナーになる
わたしの人生はわたしのものという意識を持ちましょう。
親の望むような人生を選んできたことも、反対されてでも選んだ人生も、全ては自分の選んだ結果です。
わたしの人生はわたしのものという意識を今こそ持ちましょう。
人生のリーダーになる
選ぶことはより良く変えること/選ぶことはより良く変わること
成果や成長に影響する、貢献する行動をとることがリーダーシップです。
環境、過去、人、運のせいにすることをやめましょう。
変える力を一番持っているのは自分です。わたしの人生の一番の影響力者になりましょう。
積極的に選ぶという行為は、今いる場所をもっと心地よく、未来をもっと素敵な場所にする力があります。
選び方の基本
目的をはっきりさせる
私は何が欲しいのか=目的 をはっきりさせましょう。
目的を満たすことが本質です。
よい選択肢をつくる
よい結果を選べるかどうかは、実は選ぶ前に決まっています。
よい選択肢を揃えられていれば、どれに決めても良いわけです。
今、目の前にあるものを選ぶか選ばないかだけが選択肢であるとは限りません。
0か1かの選択をするのではなく、目的を満たすような選択肢を考えましょう。
いつもうまくいくわけではありません、そんな時には、もっとよい選択肢はないかを考えましょう。
締め切りを設定する
いつか選べば良いではなく、タイムリーに選ぶことが大事です。
- 今選ばなければ次の予定に響く可能性がある
- 今選ばなければ、物事がより悪くなる可能性がある
- これ以上待ったとしても新しいニュースがないから今選ぶ
エモーショナル選力
エモーショナル選力とは、感情や感覚、感性を使い、本能としての選ぶ力のことです。
日常の中のちょっとしたことや、個人的で些細なことを選ぶ時に使いましょう。
誰でもすぐに、日々の幸せにつながる快適な選択ができるようになります。
感情の掘り起こし
「好き」を知ろう
「好き」「いいな」と衝動的に思う前に、「でも…」とマイナス要素を見つけてしまったり、批判的になってしまったりしていませんか?
日頃から考えることに慣れてしまっているせいで、「好き」「嫌い」という根源的な感情に対して鈍くなってしまっているかもしれません。
まずは自分の「好き」が何かを感情のまま見つけていきましょう。
好奇心のアンテナ力 を磨こう
食べ物やアート、建築、ゲーム、注目の人、街、文化、政治、ボランティア活動など様々なジャンルの上質なもの、面白いもの、新しいもの、古き良きものに、敏感になり、情報収集や交換をして、情報への感度をあげましょう。
そうしてたくさんの情報に触れていくにつれて、「これいいな」「これ好きだな」と自分の中から、「好き」を見つけていきます。
好きなもののパターンやリストができてくると、「好き」の定番が選ぶときの軸となり、瞬時に選べるようになります。
感情を声に出して表現する「キャピモード」
自分の感じた「好き」「嬉しい」「楽しい」「心地よい」「素敵」という気持ちをキャピモードで表現することで、胸キュン度がアップし、心が喜ぶ感覚が体いっぱいに広がっていきます。
感情や感覚を口に出してみることで、自分の感度がアップし、そのアンテナに引っかかるものがどんなものなのかがわかってきます。
好きリストを作る
好きを定番化することで、瞬時に選べるようになります。
好きリストがあると、自分だけでなく、周りの人も選ぶのが簡単になります。
「あの人は、チョコレートが好きだから、プレゼントにチョコレートのboxをあげよう!」
気に入ってくれるということが確実なので、プレゼントする方も選ぶ時間を節約できるでしょう。
直感を養う
直感とは、情報のストックから生まれます。これまでに五感を通じて感じ取ってきた、ものすごい量の経験があり、その経験が鍵となり直感を発動しています。
直感を養うには、その場で、体験をして五感を磨く機会を増やすことで、「これだ!」という日常の経験が蓄積されます。
もし、選択して失敗したとしてもそれを経験として、自分のストックとしましょう。
なんとなく選んでいることも、理由や感覚を意識し、その成果もあわせて経験則の制度をあげていきましょう。
ロジカル選力
ロジカル選力とは、論理的に、納得して選ぶことです。
お金や時間を費やすときや、多くの人を巻き込むとき、人生の大きな選択など、失敗したくない時にロジカル選力を使いましょう。
ロジカル選力の5つのSTEP
- 目的をはっきりさせる
- 選ぶための使える情報を収集する
- 良い選択肢を作る
- つくった選択肢を評価する
- 選択後をシュミレーションして選ぶ
目的の決め方
SMARTを使って目的を決めましょう
- S:Specific 「誰にでもわかるように具体的に決める」
- M:Measurable 「数字を入れる」
- A:Achievable 「現実的で達成可能に」
- R:Relevant 「自分にとって価値があり、一貫している」
- T:Time-bound 「目的に合わせて選ぶ期限の時間の制限をする」
情報収集
- 信頼できる経験者の声
- プロや専門家、専門誌などのメディア
- インターネットでの検索
事実か、個人的な意見ではないか、信頼できる情報かを確認しながら集めましょう。
選択肢を出す
情報を集めたら選択肢を出します。
二段階選抜型
必要とする様々な要素をバランスよく満たしている、性能や能力に偏りがないことを期待する時に活用できる。
一点突破
何か一つが秀でているもの他の要素は問題にしない時に活用できる
2つの方法を使って選択肢を出して、絞っていくと目的により近い選択肢を得られます。
選択肢の評価
- それぞれの要素に点数をつける
- メリットデメリットをあげる
- 選んだ後に幸せになれるか
選択肢を評価してみましょう。
選択肢から選ぶときにその評価を参考にして選びます。
採点をして高得点のものを選ぶ時にも、「それを選んだら幸せになれるのか?」シュミレーションをしてみましょう。
エモロジ選力
エモロジ戦力は、エモーショナル戦力とロジカル戦力をどちらも使った選び方です。
感情で、これかなと選んだものを、情報や条件、数字を洗い出して確認します。
そのためには、わたしの幸せとは何かを知っておくことが大事です。
- 私が心から感じる幸せとは何か
- 私はどんなふうに生き、どんな人生を送りたいのか
- 何を大切にしたいのか
- 仕事、結婚、人間関係の理想
人生を変えるような選択、多くの人を巻き込むような選択をするときは、感情も理論も考慮したエモロジ選力を使って選ぶと失敗しにくいです。
失敗を減らす選び方のヒント
選択肢を減らす
選ぶことがストレスになることもあります。
たくさんの選択肢があるせいで、余計に悩んでしまうのであれば、選択肢をまず減らしましょう。
選択肢の質が良ければ、どれを選んでも失敗はありません。
パターン化して選ぶ
習慣化、ルール化することで、「選択する」というそのものをなくします。
「朝起きたら歯磨きをする」「朝はパンを食べる」「火曜日は掃除をする」など
習慣にしたり、ルールにしたり、固定の予定を組んでしまえば、その都度悩まず、どうしようかと考える必要もなくなります。
あえて選ばない
自分にとって重要じゃない、必要ないと思ったことはあえて選ばないという選択を積極的にしましょう。
選べばいいというものでもないですし、今ある選択肢が全てかどうかもわかりません。
選ぶことが最良と言えない場合もあるので、あえて選ばないということも大切なことです。
選択肢のエラーをつくってしまう陥りやすいクセ
選択を失敗してしまうのは、自分のせいですが、その自分の気づいていないクセによって、選び方を流されてしまっているかもしれません。
クセに気づいて、意識して治すことができれば、自分でしっかりと選ぶことができるようになります。
周囲に流される
周囲の意見や、周りからのみられ方を気にしてしまうこと
自分の快(心地よいこと、嬉しいこと、楽しいこと)や、幸せに素直になりましょう。
自分で選ぶことで、小さな幸せが増えていきます。
手放せない
今持っているもの、今ある環境を手放すのが怖いこと
これまでの価値よりも、未来の価値を考えましょう。
リスクが怖い
不安なことが起きたらどうしようと心配して行動できないこと
心配よりも、起きたときの対応を考える方に頭を切り替えましょう。
リスクや損失、犠牲を事実やデータ、数字で冷静に考えましょう。
決めつけ
典型的なことを全てに当てはめて判断しようとすること
事実を確かめたり、その他の例を探したりしてみましょう。
エコひいき
好き嫌いの感情に引きずられすぎてしまうこと
公平な判断ができなくなってしまうので、ロジカルに頭を使って選ぶようにしましょう。
結論ありき
自分の意見に肯定的な情報を集めてしまい、反対意見の証拠を無視してしまうこと
情報収集に偏りが出てしまうため、意識して反対意見を集めましょう。
簡易検索
入手しやすい、思い出しやすい目の前にある情報だけで判断してしまうこと
偏った情報だけを集めてしまっているかもしれません。
視野を広くして、情報収集をし、自分の世界を広げましょう。
もっと幸せに、もっとわたしらしく選ぶ
選んだ選択肢を肯定する
ネガティブに捉えてしまうのではなく、自分の選んだことをポジティブに捉えることができれば、選択に失敗はありません。
また選び直せばいいだけです。
その都度もっとよくなる選択肢を選んでいきましょう。
今までの選択は失敗ではなく、この選択は人生を変える転機と考えるようにしましょう。
Success is choice.
人生は選択の連続であり、小さい選択や大きい選択の積み重ねが、その人の人生をつくっています。
恐怖心から選択を先延ばしにしたり、選択をしない人もいます。成功するかどうかは、選択にかかっています。
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