【 病院にも薬にも頼らないカラダを作る 未病図鑑 】渡辺賢治 ディスカヴァー・トゥエンティワン
こんな人におすすめ
- 頭が痛い
- 体が重い
- 肩がこる
- 寝つきが悪い
- やる気が出ない
病院に行くほどでもないし、健康診断で引っかかってもいないけれど
なんとなく不調を感じる…
そんな人に、ぜひ読んでほしい本です。
読んだ感想
未病という概念を知ることができました。
普段の何気ない不調、生理痛や、目の疲れ、寝付けないことでさえも、未病だと知りました。
自分の体を管理するのは、自分自身です。
なんとなくの不調に気づいてあげて、病気になる前に改善してあげることが、大切だということがわかりました。
未病とは
未病=健康と病気のあいだの状態
頭が痛い、体が重い、寝つきが悪い、肌が荒れる、やる気が出ない…など
病院に行くほどではないけれど、調子が悪くて悩まされるなんとなくの不調を抱えていたら、それは東洋医学で言う「未病」の状態にあります。
未病は、これから病気になるかもしれないし、健康になるかもしれない、どちらに転ぶ可能性もあります。
未病の原因
- 運動しない生活
- 人間関係をはじめとしたストレス
- 睡眠不足
- バランスを欠いた食生活
- スマホの使いすぎ
未病を改善できる1番の名医は自分自身
病気を治すことよりも、病気を引き起こす心や体の状態を改善することが大切です。
心身の状態は、人それぞれさまざまです。自分の心と体の状態を総合的に考えて、どんな対処法がふさわしいかを、自分で見極められるようになるのが理想です。
漢方の考え方に、「医学の力で病気を治すのではなく、その人が持っている力で病気を治し、病気にならない心身の状態にすること」があります。
本人が持っている『自然治癒力』や『免疫力』、また自律神経の働きを引き出したり、強化したりして、あくまで自分が本来持っている力を使って、心や体を良い状態に戻そうとします。
未病の改善は、本人がどれだけ自分自身の健康を意識し、実践するかにかかっています。
未病改善方法
「健康負債」をためず、「健康貯金」を貯めましょう。
悪い生活習慣で「負債(ツケ)」がたまり、良い生活習慣で「健康貯金」がたまります。
年齢を重ねるごとに、多かれ少なかれ、老化していきます。この老化によって、健康資産は少しずつ目減していきます。
負債が小さいうちは資産から負債を返済できますが、負債が大きくなればなるほど、健康な状態に戻りにくくなり、病気に近づいていってしまいます。
さらに、若い時は無理しても影響がないと思っているかもしれませんが、実際には体の奥深く、細胞レベルでは大きな影響が及んでいます。
悪い生活習慣は本人だけでなく、将来生まれてくる子供や孫などの後の世代にも及ぼす可能性があります。
年齢に関わらず、不規則な生活、無茶な生活を控え、余計なストレスを抱え込まないように心がけましょう。
生活を見直し、生活習慣を改善することで、心身の状態を最適な状態に戻しましょう。
未病を改善する10の行動指針
- カラダの声を聞こう
- 質の良い睡眠を取ろう
- 食事にこだわろう
- カラダを動かそう
- 入浴しよう
- 呼吸を意識しよう
- 姿勢を整えよう
- ナナメの関係を作ろう
- 上手に休もう
- プレコを実践しよう
カラダの声を聞こう
自分の不調がどこからきているのかを、きちんと知ることから始めましょう。
定期的に健康診断を受けることや、日常的に、体温・血圧・体重・体脂肪率を測って記録することで、体の変化に気づくことができます。
質の良い睡眠を取ろう
質の良い睡眠とは、日々の活動状況に応じたバランスで、ノンレム睡眠、レム睡眠がそれぞれ十分に取れ、かつノンレム睡眠中は必要十分な眠りの深さに達することで、心と体の休息や修復、脳の情報整理がきちんと行われる睡眠です。
1日の活動を終えたら、リラックス状態に自分を持っていき、スムーズに眠りに落ちれるようにしましょう。
寝る直前までの、テレビやスマホの光は質の良い睡眠を妨げてしまうので、気をつけましょう。
食事にこだわろう
食べたものでカラダはできています。
3食バランスよく食べ、よく噛むことが重要です。
食材だけでなく、食べ方も意識しましょう。
カラダを動かそう
運動をすると、血流が良くなり、腰痛・肩こりを軽減させたり、新陳代謝が良くなったり、美容にも効果があります。
筋肉・筋力をつけることで、太りにくい体になり、疲れにくい体にもなります。
運動不足に心当たりがあるなら、少しずつ体を動かすことから習慣にしましょう。
入浴しよう
夏は38℃前後、冬は40℃前後のぬるめのお湯に20〜30分ほど浸かりましょう。
快眠のためにはベッドに入る30分〜1時間前の入浴がベストです。
しっかり湯船に浸かってリラックスし、自律神経を整えて疲れをとりましょう。
呼吸を意識しよう
息を吸うときは、横隔膜が収縮し、緊張している状態で、交感神経が優位になります。
息を吐くときは、横隔膜が緩み、リラックスしている状態で、副交感神経が優位になります。
このように、交感神経と副交感神経が交互に繰り返されることで、自律神経のバランスが取れているのですが、浅い呼吸では、横隔膜の運動が小さくなってしまいます。
深い呼吸の横隔膜の上下運動によって、血流を良くする作用もあり、冷えの解消や、肩こり、頭痛、便秘などの不調改善にもつながります。
姿勢を整えよう
いつもどんな姿勢、立ち方、座り方をしているかは、健康を左右する重要なことです。姿勢が悪くなると、体内の内臓・器官などにも悪影響が及びます。
姿勢を正すことを意識して、長時間同じ体勢になってしまう時にはこまめにストレッチをして筋肉の緊張・硬直が起きないように気をつけましょう。
ナナメの関係を作ろう
ナナメの関係とは、親子間の縦の関係、友達同士の横の関係とは異なる、利害関係のない世代を超えた関係のことを言います。趣味や習い事、行きつけのお店で知り合った人など。
利害関係がないからこそ、なんでも自由に話したり、相談できたりする関係を築くことができます。
ナナメの関係によって、生きがい、自己肯定感、ストレスによってダメージを受けても自ら回復できる力、他者に援助を求める力、コミュニケーション能力などを向上させることなどがメリットです。
そういった人たちとふれあい、笑い合うことでの健康効果があります。
- 免疫力アップ
- 体や脳の機能が活性化される
- 自律神経のバランスが整う
- ストレスの緩和
上手に休もう
日々やらなければならないことで時間に追われ、自由に使える時間の時にはつい夜更かしして生活が不規則になってしまって、心も体も疲れ切ってしまっていませんか?
なんにしても、オン・オフの切り替えは大事です。
心と体の健康のために、自分がリフレッシュできるストレスマネジメントの方法をたくさん持っていると良いでしょう。
プレコを実践しよう
プレコとは、プレコンセプションケアの略称です。これは、将来の妊娠を考えながら、女性やカップルが自分達の生活や健康に向き合うことです。
女性だけではなく、男性のストレスや不規則な生活が原因で、不妊に悩むこともあります。
自分だけでなく、未来の子供のためにも、男女ともにプレコを考えましょう。
処方箋
あなたに、以下の症状はありますか?
- 風邪
- 冷え症
- むくみ
- 肌トラブル
- 眼精疲労
- 頭が痛い
- 心の不調
- 食欲不振
- 夏バテ
- 筋肉痛
- 肩こり
- 腰痛
- 貧血症状
- めまい
- 月経困難症・PMS
- 花粉症
- 外反母趾
風邪
ウイルスが原因の風邪でも、かかるかどうかは免疫力次第です。
- 安静にして、体を温め、環境を整えて栄養・水分補給
- 風邪のひき始めは、漢方薬でつらい症状の緩和
- 予防のための免疫力アップ
冷え症
冷えは深部体温が低い状態で、熱エネルギーがきちんと巡ってない状態で起こります。
血流と、自律神経の乱れが原因で起こることがあります。
- 体の芯から温める
- エネルギー産生(代謝)量をアップする
- 血流を良くする
- 自律神経を整える 特に副交感神経へのスイッチオンが大事
むくみ
むくみは、体内の水分代謝がスムーズにいかず、血管が胃の細胞と細胞の隙間を満たす液体(細胞間質液)が増えている状態で起こります。
- 長時間同じ姿勢をとり続けるときは、姿勢リセットや、合間に軽い運動をする
- 水分や塩分の摂りすぎに注意する
- 血流やリンパの滞り、自律神経の乱れを改善する
肌トラブル
皮膚のバリア機能の低下により、最近や刺激物の侵入が受けやすくなり、トラブルを起こしやすくなります。
- 清潔・保湿・肌にやさしく
- ターンオーバーの乱れを改善する
- 胃腸など内臓の調子を整える
- 食生活の工夫をする
眼精疲労
目の疲れ、痛み、かすみ、充血、目の周りの腫れ、視力低下、眩しさや暗さ、などの症状が出ます。
最近ではスマホ・パソコンの使い過ぎなど、近くを見続ける作業で目を酷使すると起こります。
- 目の負担を減らす環境を意識する
- 目の筋肉の疲労を温めて回復させる
- 血流や自律神経の乱れを改善する
頭が痛い
頭痛には緊張性頭痛と片頭痛と呼ばれる二つのタイプがあります。
緊張性頭痛は血管の収縮によって起こり、片頭痛は血管の拡張によって起こります。
緊張性頭痛
- 首や肩の筋肉の緊張をゆるめ、血流を良くする
片頭痛
- 脳の血管の拡張を抑える (冷やして安静にする)
- 生活リズムを整える
心の不調
わけもなく不安になる、イライラやうつ感、眠れない、やる気が出ない、焦燥感があるなど、なんとなく心がザワザワしている状態などの心の不調は、ホルモンなどの脳内物質が大きく関わっています。
ストレスにさらされると、対抗しようと「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。この状態が長く続くと、過剰になったコルチゾールの影響で、脳の感情や衝動をコントロールしている部分に支障が生じ、幸福感、喜び、意欲といった感情・思考・衝動などに関係する脳内物質の機能低下が起こるため、心の不調が起きてしまいます。
- リフレッシュして自律神経のバランスを整える
- 質の良い睡眠をとる
- 幸せホルモンの分泌を促し、活性化させる習慣をつくる
食欲不振
自律神経の乱れから食欲不振になります。
- 腹式呼吸で自律神経を整える
- お腹まわりの血流を良くし、体を冷やさないようにする
- 食材を選んで食生活を工夫する
夏バテ
高温多湿により、汗をかくのが難しくなり、体温調節をコントロールしている自律神経が乱れて、さまざまな不調を起こします。
- 冷房を調節して自律神経を整える
- 体温調節と、水分調節を意識して食事をする
- 胃腸の調子をととのえてミネラルやビタミンを多めにとる
筋肉痛
肉体疲労や、運動で、筋繊維が傷つき炎症を起こすことで筋肉痛が起こります。
- 普段から意識して筋肉を使う
- 運動中は適切な水分補給を行う
- 運動後のケア〜血流を良くし、質の良い睡眠をとる
- タンパク質、ビタミン、ミネラルで筋肉痛の予防・回復
肩こり
肩から首の筋肉の緊張と硬直によって、血管が収縮し、血流が悪くなり痛みが起こります。
- 肩から首の筋肉の緊張をゆるめて、血流を良くする
- 入浴で自律神経のバランスを整える
- 冷え性や貧血の改善を行う
腰痛
肩こりなどと同様、筋肉が緊張・硬直して血流が悪くなり、細胞が酸欠状態に陥って発生します。
また、痛みが長時間続き、何をやっても治らない、ますます痛みがひどくなる場合に、心の状態に原因がある可能性があります。
- 腰回りを温めて血流を良くする
- ストレッチで動かして治す
- リラックスして自律神経のバランスを整える
貧血症状
血液中の赤血球数や、赤血球中のヘモグロビン濃度が低下した状態で、体内の酸素不足によって、貧血が起こります。
- 鉄欠乏性貧血の場合は、「鉄」補給が必須
- 貧血の原因となっているかもしれない病気の早期発見と改善
めまい
ぐるぐるする〜回転性のめまい〜
耳鳴り・耳づまり感や難聴などの、耳の病気や、脳梗塞・脳出血など脳の病気が原因で起こることが多いです。
ふわふわする〜浮動性のめまい〜
頭痛、顔や手足の痺れ、麻痺を伴う場合は脳の病気の可能性があります。
くらっとする〜失神型のめまい〜
立ちくらみなど、多くは貧血や低血圧、自律神経の乱れなどが原因ですが、不整脈や、心筋梗塞などの心臓の病気、うつなどの心因性の病気が隠れていることもあります。
- 病気が疑われる場合は病院へ
- アルコールを控え、カリウムを摂りつつ、体を温める
- 自律神経を整える
月経困難症・PMS
器質性月経困難症
子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の病気が原因です。
機能性月経困難症
原因は特定できず、若年層に多く見られ、出産を機に改善するケースもあります。
PMS
月経前3〜10日頃から、下腹部の痛み、頭痛・めまい、むくみ、食欲亢進、イライラなどの書状が現れます。
- 食事で月経痛を和らげる工夫をする
- 体を冷やさず、温めて、血流を良くする(月経中でも入浴はもおすすめ)
- ストレッチや軽い運動をして、血流や自律神経バランスを意識した生活をする
花粉症
本体、外敵から体を守る免疫機能が過剰に反応することで、アレルギーの症状につながります。
- 物理的にアレルギーの原因となるものを寄せ付けない
- 保湿で皮膚や粘膜のバリア機能の低下を防ぐ
- 免疫機能を正常に働かせるための生活習慣
外反母趾
足に合わない靴を履いている、歩き方の癖や身体的な特徴、筋力の低下が外反母趾の原因です。
外反母趾は足の指に症状があらわれますが、全身の不調にもつながる可能性もあります。
- 足に合う靴を履く
- 足裏や指の筋力低下の予防・改善
- ストレッチや足指体操をする
なんとなくの不調から、自分でもわかるような症状が出てきた時、どうしてこのような症状が出るのかと、その対処法もこの本にはもっと詳しく書かれています。
自分の身体で気になることがある、病院に行くほどではない人は、ぜひ読んでみてください。
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